成人の半数以上の方が歯周病に罹患していると言われています。歯周病の直接的な原因は、歯の表面に付着しているプラーク(歯垢)中の細菌です。ストレス、喫煙、咬み合わせの不良などにより悪化します。最近の研究によると、歯周病の細菌は口の中だけでなく、全身の健康へも影響を及ぼすことが分かってきました。
歯周病を放置すると、歯周病を進行させるプラーク中の細菌が歯肉の毛細血管に入り込み、全身をめぐりはじめます。そしてその細菌が血管に張り付いて、動脈硬化を助長する原因ともなります。アメリカ歯周病学会の報告では、歯周病にかかっている人が心臓発作や脳卒中を起こす危険度はそうでない人の2~3倍であると言われています。他にも呼吸器疾患や糖尿病などの発症や進行に関わっていると言われています。特に糖尿病との関係はよく知られており、糖尿病の人が歯周病にかかりやすいこと、反対に歯周病菌が血糖値をコントロールするインスリンの働きを阻害するという相互の影響が指摘されはじめています。